朝日連峰竜門山 秋雨山行 2020/10/11

朝日連峰の紅葉はこの時期、稜線から中腹あたりまで進み、全山燃えるような美しさです。さすがに「これは見逃せない!」と思う人が多いのは頷けますね。隠れた名山の代表でもある朝日連峰が、一年で一番の過密状態になり、登山口に駐車するのもひと苦労、避難小屋はすし詰めを覚悟することになります。いつも、ほどほどに山遊びしたい私は、地元の山には感謝こそしても、不満など微塵もございません。しかしながら、10月の第一週の休日は騒がしくてどうも苦手です。

ところがです。2020年10月10日早朝、山形の空は曇天。山は雨模様になりました。これで、有り難いことに、山に入るか迷っていた登山者の大半はあきらめてくれたようです。確かに、秋雨は危険なんですね。視界は効かず時には吹雪になることさえあります。

でもね、天気予報によれば、この空は遠い台風の影響らしく気温は高め、風も弱そうでした。私はほくそ笑みました。雨模様は残念ですが、実は快適な山行はできるんですね。自信ありです。兎に角、賑やかなおばちゃんたちもトレイルランニングであおり運転してくる若者(べつに両者を否定しているわけではないですよ。)も少なくなり山は静かになります。見晴らしは効きませんが、東北アルプス朝日連峰秋雨山行の楽しみはいろいろとあります。

まず1つ目、遠くではなく近くの木々葉をじっくり観賞しましょう。燃えるような全山紅葉は見られません。しかしながら、雨に濡れた木々の美しさにあなたは心を奪われるに違いありません。重装備で潜水して珊瑚を見る人もいるのです。雨具さえ身に付けていればこの景色に出会えるのですから、知らないヒトはかわいそうだなあ、この喜びを伝えたい、でも騒がしくならないで、と私の心は揺れ動くのであります。

加えて、よほどの悪天候でないかぎり、秋雨には一瞬の晴れ間があります。特に避難小屋一泊プランで来た人はかなりの確率でこの瞬間が訪れます。最高の瞬間に間に合うように、リュックからカメラを引っ張り出すことでしょう。写真をご覧ください。SIGMA DP2Xで撮影しました。 1泊2日間で竜門山から寒江山が見えたのはこの一瞬(15分くらいかな)だけでした。いやあ、残念でしたが、まあまあ満足です。山頂付近は落葉が始まってますね。

次に2つ目、広々した避難小屋で山ご飯と山飲みを楽しみましょう。いつも話しているのですが、 なにも高級な食材・お酒は要りません。空腹こそが最高の調味料で、尚且つ活力の源です。必要なのは登り切る野心と遊び心だけなんですね。今回、家から持ち出した食材は家庭菜園のゴーヤ、安さと健康の定番魚肉ソーセージ、生卵、袋ラーメンこれだけです。あと山麓の藪からアケビを1個だけ頂戴しました。調味料はオリーブオイルとめんつゆのみです。

あとはお酒を雨天ボーナスとして少し余計にします。私は荷が重くなるのは大嫌いでリュックは10キロ未満と決めていますが、雨のご褒美とするのです。 で、今回は苦みのコラボレーション「ゴーヤー&アケビチャンプルー」と「豪快魚肉ソーセージラーメン」の2品でした。これとビール、日本酒を持ち込み、そこはかとなく朝日連峰竜門山の夜は更けゆくのでありました。




そして3つ目です。下山時に茸狩りをします。登るときよりも気持ちに余裕がありますし、リュックには持ち帰るための空きができます。ただし、朝日連峰は国立公園で特別保護区も設置されていますので、そこでは一木一草と言えども採集はできません。それ以外の場所から、食べる分だけいただくのがルールです。山で生活しているのではなく、単なる遊び人なのだという分別が必要です。あと、毒茸に当たりたい人はいないと思いますので慎重にお願いします。写真だけ撮ってきて後で調べるのも一興です。写真は今回の山あるきで撮影したものです。



最後はテクニックです。雨具を身につけても、長時間歩くとどうしても濡れますね。雨や汗で「濡れた衣類をどうするか」について私の対処法を紹介します。万人向けではないですが参考にしてほしいと思います。まず、その前にご理解いただきたいのは、大方の登山者のリュックが必要以上に重いのは着替えのせいです。そうです。ひと月も海外旅行にいく行くみたいに着替えをリュックに詰め込んではいけません。「濡れたらどうするのお。」とお叱りを含んだ反論に「着たまま体の熱で乾かすんだ!」と答えましょう。「なにそれ!」とお怒りの声が聞こえてきます。しかし、体温で温まっている服を脱ぐなんて「もったいない!」のです。

山小屋に着くとすぐ、衣服を脱いでハンガーに掛ける登山者が多いですが、晴れてればともかく、雨の日には絶対乾きません。なぜなら、雨天時の山小屋の湿度は100%だからです。それに、吊すと場所を取り、混雑時は迷惑ですよね。ところが、濡れた衣服もしばらく我慢してそのまま着ていると体温で暖められてますから、湿度は低く乾き始めます。濡れてもあまり冷んやりしない服を着ていくことが必要ですが、降りやまぬ雨の日にかかわらず、私の衣服は午後2時に避難小屋について3時間後には完全に乾いてました。


体温の上がりにくい手足に付ける軍手や靴下は金属の水筒にお湯を入れて湯たんぽを作り、かぶせます。乾燥するまで30分かかりません。以降は極めて快適な山小屋ライフとなります。

ハンガーにかけた濡れた衣服は朝になっても乾かず、水分で重くなった服を担いで降りることになるのでした。着て帰ろうにも一度脱いだ服は非常に冷たくなり、再び着るなんて私にはできません。脱いで冷やしたりしないで、「ずっと着続ける」が正解なのですが・・・あ、正解はありませんから「ずっと着てろ!」などと強制しません。









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