神室の怪峰とキノコ汁 ー砂利押沢ソロキャンプー2020/10/31

すでに、朝日、飯豊連峰は雪をかぶっています。でも、まだ泊まり掛けで遊びに行きたい私は、雪の心配がいらない神室連峰に出かけることにしました。そうと決まれば、神室山と山頂避難小屋に行くのですが、この日は神室の怪峰火打岳に会いたくなり、最短ルートである土内渓谷の砂利押沢口を目指して出発しました。

「神室山と最上の山々」坂本俊亮・菅原富喜著(昭和62年)という書物では、冒頭に砂利押沢口コースの案内がなされています。また、「山形50名山」東北写真家集団やまがた著(平成3年)でも火打岳登山のコースとして記載されています。現在もこの砂利押沢口コースはペンキやテープで道案内があり、危険箇所にはロープがあります。案内板や道標に記載されたキャンプ場もあります。山を守る人が丁寧に仕事をされています。

ところが、砂利押沢口コースを利用する人はめっきり減っています。そのため、上流の砂利押沢口キャンプ場は、県内寂しさランキングNO1キャンプ場と言っていいでしょう。それに、キャンプ場といっても、備えられているのは、看板と水場と平坦地がいくつかあるだけです。トイレなし。山小屋はもちろんなし、逃げ場はありません。何があっても野生動物のように一夜を明かすことになります。

実は、火打岳に登る「富喜(火打)新道」が近くにあります。吊り橋そばの駐車スペースには岩手、宮城、仙台、つくばといった全て県外ナンバーのが車が占めていました。対して少し離れた砂利押沢口は駐車スペースに1台の車もありません。なるほど、新しい地理院地図を見るとこちらには登山道はなく、新道のみが記載されています。

10年前、私はそのまま泊まった記憶があるのですが、今回は装備にキャンプ地の整地を想定して草刈り鎌とエチケットとしてトイレ用のシャベルを加えておきました。林道を案内に従って土内渓谷に降りると、まずこの川を徒渉します。新道では立派な吊り橋があるのと対照的ですね。今回はやや水量が多く、膝上まで濡らしてしまいました。また、砂利押沢を遙か下に眺めながら、崖をへつる危険箇所がしばらく続きます。近代的なハイキングコースではないのでした。

砂利押沢に降りてからは、燃えさかる紅葉を眺めながら右岸、左岸を行ったり来たりしながら歩き続けます。もういい感じです。すると、川向こうで私をじっと見つめるつぶらな瞳があります。カモシカです。「やあ、元気?」カメラに手を掛けると足早に去ってしまいました。キノコの写真でも撮りましょう。そして、早くキャンプの準備をしてキノコ汁で飲むのです。

沢沿いに2時間、標高700mに達した辺りから尾根に張り付いて30分登るとキャンプ場到着です。ぞくぞくするような、曲がりくねった樹木の間に転々とテント場が散見できます。その内の一つを選び伸びすぎた草を刈り均しました。20分ほど掛けてテントを設営、水場でキノコを洗いました。ナメコ、クリタケ、ナラタケ、ブナハリタケ、ムキタケの5種混合鍋の下準備をして、火打岳を拝みに再出発します。



キャンプ場に戻り、バーゴのウッドストーブで20分くらいゆでているとハリタケの強い臭いも消えてゆき、出汁も効いてきました。朝から何も食べていない私のお腹は、もう空腹でどうにかしてくれと悲鳴をあげています。この「空腹状況を作る。」それこそが最良の調理で有る…は、「ほどほどの山あそびで」は鉄則となります。もともと旨いものがますます旨くなりますね。


食べ終わると、すぐ眠くなります。辺りは闇に包まれようとしています。「おい、こんな森の中、たった一人で怖くはないのか?」いつも早寝の習慣があるので、「はい、怖くないです。」野生動物に襲われないかとか、幽霊や宇宙人にさらわれないかなどの「闇の恐怖」より猛烈な睡魔が勝るのです。しかし、今回はあまりに穏やかな月夜でしたので、がんばってテント場の夜間撮影もしました。


素敵な場所なんですよ。「砂利押沢口キャンプ場」いかがでしょうか。








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